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中建審/工事請負契約約款を改正・勧告/20年4月施行の改正民法に対応

2019/12/24

中央建設業審議会(中建審、国土交通相の諮問機関、柳正憲会長)は建設工事標準請負契約約款を改正し、公共発注機関や建設業団体などに20日勧告した。2020年4月に施行される改正民法の内容に沿いながら、建設工事特有の請負契約に適した約款に見直した。実施勧告を受け国土交通省は改正民法の施行までの約3カ月、新約款の周知を図る。
 中建審は13日に開いた総会で約款改正ワーキンググループが取りまとめた改正案を審議し了承。20日付で実施勧告を行った。
 改正する約款は▽公共工事標準請負契約約款▽民間建設工事標準請負契約約款(甲)▽民間建設工事標準請負契約約款(乙)▽建設工事標準下請契約約款-の4種類。
 改正民法では特約条項があっても債権が譲渡できるようになる。4約款すべてに譲渡制限特約を維持。公共約款には、前払いや部分払いを行っても工事の施工に必要な資金が不足する場合、発注者の譲渡承諾を義務付ける規定を設ける。民間約款(甲・乙)と下請約款には、工事を実施するための資金調達を目的とした譲渡を認める条文を選択して使用する。
 併せて、譲渡制限特約に違反した場合や、資金調達目的で譲渡した時に資金を他の工事に使用した場合に契約を解除できるとした。
 改正民法で「瑕疵(かし)」が「契約不適合」という文言に改められる。その場合の責任として履行の追完と代金の減額請求が規定されたことを踏まえ、4約款も同様に変更した。
 改正民法では瑕疵に関する建物・土地の契約解除の制限規定が削除される。これらを踏まえ、催告解除と無催告解除を整理した上で契約解除を規定し直した。
 木造や石造、RC造といった材質の違いによる担保期間が民法上廃止されたことを踏まえ、約款では期間の区別をせずに一律で2年を原則にする。設備機器や室内装飾などの担保期間は、公共約款、民間約款とも1年に統合する。
 期間内に発注者が2年以内に行う「請求」と「通知」を分けて規定。通知した場合には1年以内に請求を行う必要があるとする。故意または重過失の場合の担保期間については2年の特則を適用せず、民法の原則を適用する。