国交省/整備新幹線関係で国費804億円計上へ/20年度予算案に、2年連続増額
2019/12/19
国土交通省は2020年度予算案で整備新幹線関係に国費804億円(19年度当初予算792億円)を計上する。18日の与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)に報告し、了承された。国費の増額は2年連続。当初予算で800億円を上回るのは初めて。
東日本大震災を踏まえた耐震設計基準の改定、労務単価の上昇や消費税率の改定など外的要因により、北陸新幹線(金沢~敦賀)と九州新幹線長崎ルート(武雄温泉~長崎)の建設費が当初見込みより計3451億円膨らむ見通し。与党PTは整備新幹線の着実な整備のため、20年度予算で国費の最大限の増額を求めていた。
増額分3451億円のうち、「国負担および地方負担またはさらなる貸付料財源の活用でまかなう部分」の744億円は毎年度の予算編成過程で財源構成を決定する。19年度に225億円を措置済み。20~22年度に残り519億円の財源構成を決める。
20年度は519億円の3分の1に当たる173億円を措置する。想定金利の見直しで120億円を捻出。国費の積み増し(35億円〈12億円×3年分〉)とそれに伴う地方負担の増加(18億円〈6億円×3年分〉)によって財源を確保する。21、22年度も残り346億円について引き続き議論する。
同日の与党PTでは長崎ルートで未着工の佐賀県内区間(新鳥栖~武雄温泉)の進め方も議論。与党PTは専用レールを建設する「フル規格」での整備が「適当」としているが、財政負担の増大などを懸念する佐賀県は反対している。国交省は県に配慮し、20年度予算案に環境影響評価経費の計上を見送った。