国交省／女性活躍推進へ新計画骨子案／建設産業で働く女性を応援、選ばれる産業めざす

国土交通省は建設産業で女性活躍の取り組みをさらに進めるための新計画の骨子案をまとめた。「働き続けられるための環境整備」など三つの柱を設定。建設産業で働く女性を応援する取り組みを全国に根付かせ、女性に選ばれる産業を目指す。新計画を１２月に取りまとめ、多方面で周知活動を展開する。
　８日に東京都内で開いた策定委員会で新計画の骨子案を示した。地域ブロックごとに実施した意見聴取会で出された意見や国交省が行ったアンケートの結果などを踏まえ、「就労継続」が特に大きな課題になっていることが分かった。
　骨子案によると、新計画（２０２０～２４年）は▽働き続けられるための環境整備を進める▽女性に選ばれる産業を目指す▽建設産業で働く女性を応援する取り組みを全国に根付かせる－の三つの柱で構成。各項目を達成するための目標を設定する。
　例えば、女性の入職者数に対する離職者数の割合は１５年度１０３・７％、１６年度７９・７％、１７年度６６・７％と着実に離職者が減っていることを踏まえ、働き続けられる環境整備に継続的に取り組み、２４年までの計画期間中は前年度比を減少させる目標などを想定。入職者に占める女性の割合は２４年までの間、前年度比を増加させる目標を掲げる。
　現行計画の推進を通じて昨年に「建設産業女性活躍推進ネットワーク」が発足した。新計画では都道府県単位で活動している団体に参加を呼び掛け、２４年までに全都道府県の加入を目指す。新計画の内容の認知度も高めていく。
　新計画では新たな施策などを追加、拡充する。建設現場の生産性向上策ｉ－Ｃｏｎｓｔｒｕｃｔｉｏｎや建設キャリアアップシステム（ＣＣＵＳ）の取り組みなどと合わせ、新しい魅力の創造・発信や、長時間労働の是正など働き方改革の取り組み、建設業経理士など女性が活躍できる仕事の紹介といった新たな項目を盛り込んでいく。