国交省/施工時期の平準化で自治体の取り組み調査/結果公表し「見える化」
国土交通省は地方自治体に対し、施工時期の平準化に取り組むよう本格的に働き掛ける。公共工事入札契約適正化法(入契法)に基づく実態調査を11月上旬に発出。平準化率や具体的な取り組み状況を調べる。結果を踏まえ来年1月以降、特に取り組みが遅れている人口10万人以上の市に対し、重点的にヒアリングを行う。取り組み状況の「見える化」の初弾として、年度内に入契調査の結果を公表する。
6月成立の改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)に基づく基本方針と、改正入契法の適正化指針が10月18日に閣議決定された。基本方針には国が発注者ごとの平準化の進捗(しんちょく)、取り組み状況を把握し公表すると明記。適正化指針には平準化の推進を規定。発注者の努力義務となり、国は取り組み状況の報告を求め、概要を公表できる。
入契法に基づき毎年度、全公共発注機関を対象に行う「入札契約適正化法等に基づく実施状況調査」で平準化に関する調査項目を充実。平準化率の調査対象は、請負金額500万円以上の工事を基本とし、市町村については500万円未満の小規模工事も含める。閑散期の「4~6月」と繁忙期の「1~3月」に稼働している工事の件数と金額で平準化率を報告してもらう。
債務負担行為や柔軟な工期設定、速やかな繰越などの平準化策について活用や実施の有無のほか、件数や金額なども詳しく調査。自治体には「単独事業」と「補助・交付金事業」を別々に答えてもらう。
年内をめどに調査票を回収。都道府県と人口10万人以上の市が自治体発注工事の契約件数で全体の約8割を占めることから、特に平準化の取り組みが遅れている10万人以上の市を対象に、重点的にヒアリングを行う。年度内には調査結果を公表し、見える化の第1弾と位置付ける。
地域発注者協議会などさまざまな機会を通じて自治体に周知を徹底。11月に全国8ブロックで開く監理課長等会議で都道府県に対し、具体的な取り組みを働き掛ける。管内市区町村を含め、取り組みの加速化などを申し合わせる方針だ。