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台風19号/関東整備局管内、被災各県で復興への動き加速/降雨に備えた体制強化

2019/10/28

台風19号による豪雨災害の被災地では、一日も早い復旧・復興に向けた作業が進む。25日には低気圧の影響で関東から東北まで広い範囲で猛烈な雨が降り、浸水や土砂災害の危険性が高まった。関東地方整備局は管内の自治体と緊密に連携し、復旧作業の円滑な実施に取り組みながら、大雨による被害拡大を抑えるために警戒態勢を強めている。
 9月に台風15号が襲来して以降、関東整備局は管内の都道府県などと連携を深め対応に当たっている。首都圏の各都県では災害協定を結んでいる地元の建設業協会などの協力も得て、被災したインフラや家屋の復旧作業に取り組んでいる。
 25日の大雨では、千葉県内の一部自治体で土砂災害警戒情報と避難勧告が発令された。関東整備局は同日朝に応援対策本部を設置したほか、君津市にリエゾン(現地情報連絡員)を派遣して情報収集に備えた。県内の利根川近くに排水ポンプ車も配置。速やかに対応できる体制を確保した。県は土木事務所によるパトロールなども実施。万が一の事態が起こった場合、千葉県建設業協会(千葉建協、畔蒜毅会長)の協力を得て速やかに対応できるようにした。
 台風19号による大雨で決壊した河川の堤防周辺でも降雨に備えた体制を確保した。同局管内の河川で決壊した堤防のうち、国管理の9カ所と国が権限代行で実施した茨城県の管理2カ所は23日までに盛り土作業を終えていた。25日は大雨が降るとの予報を踏まえ、決壊周辺部の洪水予報や水防警報を発令する基準も緩和して非常時に対応できるようにした。
 台風19号に関連した復旧作業も本格化している。破堤で河川から泥が流れ込んだ市町村道を対象に、関東整備局は清掃作業を円滑に進めるための支援策を展開。自治体からの要請に応じて、同局と管内の建設業協会、建設会社が連携して施工者がスムーズに現地へ入れる体制を構築。24日に埼玉県東松山市で支援体制に基づく作業を初めて実施した。県内では複数市から支援の要望が出ているという。
 茨城県では大井川和彦知事が24日、復旧に向けた補正予算を今月中に編成する考えを表明。速やかに被害の全体像を把握し「必要な額を概算でも積み上げて、スピード感を持って取り組む」としている。橋梁が崩壊したJR水郡線の復旧は県が河川の改修方針を早期に詰め、JR東日本と交渉する考えだ。
 栃木県は被災復旧に関する要望書を赤羽一嘉国土交通相に18日提出した。公共土木の早期復旧や鉄道の早期復旧支援などを要望し、必要な予算の確保を求めた。県内では不通となっていた鉄道の復旧も急がれている。24日には東武鉄道日光線・佐野線が運転を再開。JR両毛線は復旧に1カ月程度かかる見込みだ。