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国交省/社保加入・労働規制逃れの「一人親方化」防止/実態把握し抑制策検討

2019/09/30

国土交通省は2020年度、社会保険加入や長時間労働規制などを逃れことを目的とする社員(技能者)の「一人親方化」について抑制・防止策の検討を本格化させる。検討会を立ち上げ、一人親方化に関する調査を実施。実態を把握した上で実効性のある対策を検討し、必要な取り組みを講じる。健全な事業環境を創出して技能者の処遇を改善。将来にわたる建設業の担い手確保につなげる。
 20年度予算の概算要求で、誰もが安心して働き続けられる環境整備の経費に2億8百万円を計上。このうち社会保険加入の徹底・定着に3000万円を充てる。
 一人親方は法令上、社会保険の加入義務がない。また事業主となるため、働き方改革関連法に基づく年次有給休暇の取得義務化や、時間外労働の罰則付き上限規制などが適用されない。このため本来、雇用すべき技能者の一人親方化を図る動きがある。国交省はその動向を把握し、実効性のある対策の検討に着手する。
 建設業法の改正で建設業許可要件が見直される。下請も含め社会保険加入をさらに徹底するため、社会保険に未加入の建設会社は建設業の許可・更新を認めない仕組みとなる。社会保険加入が許可要件となることから、一人親方化に関する実態調査を実施。その結果を踏まえ、立ち上げる検討会などで実効性のある対策を検討する。パンフレットなども作成、配布して一人親方化を抑制する。
 現在検討している建設キャリアアップシステム(CCUS)を活用した専門工事会社の施工能力の「見える化制度」で、社保加入など法令順守をはじめ技能者の自社雇用、教育・処遇改善に取り組む専門工事会社を積極的に評価する。まじめに社員教育に取り組む企業が不利にならないような環境を確保する。
 加入・規制逃れの一人親方化の抑制対策のほか、社会保険加入徹底・定着に向け、産学官で組織する「建設業社会保険推進・処遇改善連絡協議会」を開催。法定福利費のさらなる見える化の推進や、法定福利費などの支払い状況実態の調査なども行う。