首里城焼失/政府「再建に向け全力」/建築界も連携し協議
2019/11/02
那覇市にある「世界遺産」の首里城跡に復元された正殿などが焼失した。10月31日未明に起きた大規模な火災で建物と門の計7棟が全焼した。城内にスプリンクラーは設置されていなかった。菅義偉官房長官は同日の記者会見で「国営沖縄記念公園の施設だ。再建に向けて政府として全力で取り組んでいく。しっかり対応する」と述べた。
4月に発生した仏パリのノートルダム大聖堂の火災を受け、文化庁は国宝や重要文化財(重文)の防火設備などを調査。結果を受け、防火対策充実に向けたガイドラインを9月に作成し自治体に通知していた。
首里城の火災を受け、日本建築家協会の伊良波朝義沖縄支部長は「全国の文化財にも言えるが消火体制のあり方が問われている」と指摘。復元に当たっては「外観よりも建造物内部にある文化財をどう再生するかが重要だ」とし、沖縄県の建築士会や建築士事務所協会と連携し協議する考えを示した。