経産省/再エネ発電設備の安全対策を強化へ/有識者WGで方向性検討
2019/10/02
経済産業省は被害規模が大きな自然災害の頻発を踏まえ、再生可能エネルギーに関連する発電設備の安全対策を強化する。太陽光パネルなどの設置方法が多様化しており、中には技術基準に適合しているかどうか判断が難しいケースも増えている。経産省は新たな設置方法を踏まえた仕様規定などを検討。発火事故の情報収集や報告徴収、立ち入り検査など保安体制も築く。年内に安全対策の方針をまとめる。
産業構造審議会(経産相の諮問機関)の「新エネルギー発電設備事故対応・構造強度ワーキンググループ(WG)」の18回目の会合が9月27日に東京都内で開かれ=写真、再エネ発電設備の電気保安に関する現状と課題が報告された。
近年の台風や豪雨などにより太陽光発電設備や風力発電設備が崩落、倒壊する事故が相次いでいる。太陽光発電設備では出力規模にかかわらず、太陽電池モジュールや架台、支持構造物で損傷、飛散などが起きている。
WGでは再エネ発電設備の導入拡大と、電気保安の確保に向けた対応策を検討する。太陽光発電設備は設置方法が多様化し、電気事業法に基づく技術基準に適合するのかどうか、疑問符が付くケースも出ている。新たな設置方法を踏まえ部材や設計、設置方法などの仕様を定める仕様規定化を検討する。
一般住宅用の小出力発電設備(出力10~50キロワット)は、所有者が自主的な管理をしているが、公衆安全の確保の観点から電気保安の規律を高める考えだ。再エネ発電設備に関する知識や技能を持つ者による定期的な設置点検のほか、事故に関する情報収集の強化や国による報告徴収、立ち入り検査などを検討する。