国交省／女性活躍さらに推進／新計画踏まえ地域ごとに行動計画策定へ

　国土交通省は２０２０年度、建設業の女性活躍の取り組みをさらに進める。全国で女性活躍に取り組むことを基本とする新計画を年内に策定。これを踏まえ地域ブロックまたは都道府県ごとに行動計画を検討する。女性技術者・技能者の就業継続や職場復帰に役立つ地域セミナーの開催などを通じて女性活躍の機運をさらに高め、建設業界が自律的、継続的に女性活躍に取り組める環境を整備する。
　２０年度予算の概算要求で、誰もが安心して働き続けられる環境整備の経費に２億８百万円を計上。このうち女性活躍の推進に４０００万円を充てる。
　国交省と建設業５団体は１４年８月に「もっと女性が活躍できる建設業行動計画」を策定した。現場で活躍する女性技術者・技能者を５年後に倍増させる目標を設定。官民を挙げて建設業に関心を持ち、入職する女性を増やすための各種取り組みを進めてきた。
　国交省は計画策定から５年を迎える本年度に、現計画の総括を踏まえて新計画の策定に着手している。現行計画を共同で作った５団体以外に、昨年発足した建設産業女性活躍推進ネットワーク（事務局・建設業振興基金）も参加。地域ブロックごとに開く意見聴取会やアンケートを通じて、建設業界の実情や全国の建設現場で働く女性の意見を反映させる。新計画を１２月に取りまとめ、さまざまな場面で周知活動を展開する。
　新計画を受けた女性活躍推進の取り組みを浸透、実行させるため、２０年度に地域ブロックまたは都道府県といったエリアごとの行動計画策定に向けた検討に入る。地域の実情や課題に向き合い、地域に根差した実効性の高い計画を策定する。
　女性の入職・定着に関する取り組みを促進するため、女性活躍に関する「成功・失敗事例集」を取りまとめる。女性技術者・技能者の就業継続や職場復帰に役立つ地域セミナーを各地で開催。建設業で働く女性のロールモデルを示し、入職や定着につなげていくなど、官民一体で担い手の確保・育成により力を注ぐ。