建設業界の動向・人材について
少し前までは建設バブルと呼ばれて好況だった建設業界も、
新型コロナ流行の影響を受け、他の業界と同じように苦境に立たされる日々が続いています。
BtoBの取引請負の業態が多い建設業界で生き残っていくためには、
他社とどう差別化できているかが大切です。
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、多くの工事が中断を余儀なくされました。
2021年からは、主要建設会社を中心に大規模な開発工事等で工事再開の動きが見られましたが、
コロナ対策のための消毒液や換気システム、3密を避けるための作業工程など、
ニューノーマルに合わせたガイドラインが推奨されています。
今後は、建設現場においても感染対策を万全にして「現場をとめない」企業の価値が高まっていくでしょう。
事業所内はもちろん、建設現場でもクラスターや新規感染者を発生させないなど、
労働環境を向上させるためにどんな企業努力をしているかが業界全体への信頼につながり、
差別化の重要な要素となっていくと見られています。
建設就業者はピークだった1997年以降減少傾向にあり、現在では、55歳以上の高齢者が1/3以上を占め、高齢化も進んでいます。
そして、その高齢労働者の方々は、今後10年間で大半が引退するとみられるため、中長期的な建設業の担い手を確保する必要性に迫られています。
具体的には、2025年時点で技能労働者数が47万人~93万人不足するとみられており、この差分をどう埋めていくかが課題になっています。
また、建設業界における労働環境も決して良好とはいえません。
所定外労働時間こそ、全産業の年間平均132時間に対し、建設業は160時間とそれほどの大きな差はありませんが、建設業界においては、休日取得状況が問題視されています。
建設工事従業者の65%が4週4休以下で就業しており、年間出勤日数は、全産業の平均である224.4日と比較して、26.9日多い251.3日(平成27年度実績)と試算されています。