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レオパレスオーナー訴訟

2018/07/26

アパートの修繕費を払っているのに、約束した頻度で屋根やクロスの塗り替えや交換をしていないとして、東海地方に住むオーナー29人が29日、サブリース大手の「レオパレス21」(東京都)を相手取り、
計1億4743万円の支払いを求めて名古屋地裁に提訴する。関東や関西などのオーナー約70人も同様の訴訟を検討する。同社は「適切な修繕をしている」との立場だ。

原告側のオーナーは、いずれも自らが建てたアパートを同社が一括で借り上げ、空室に関係なく一定の家賃収入を得る「サブリース」契約を結ぶ。訴状などによると、オーナーは毎月、
修繕費として家賃収入の平均7・2%を同社に払っている。同社は塗り替えや交換の目安として、屋根は10年、クロスは4~5年、カーペットは3~4年などと文書で示しているが、
オーナーのアパートの大半は築10年を超えるものの、屋根を塗り替えた物件はゼロ。また、調べた限り、目安通りにクロスやカーペットが全面張り替えされた部屋はないという。

一部オーナーで作るLPオーナー会代表で、原告の前田和彦さんは「目安通りの修繕をほとんど行っておらず不当」と批判。現在の契約形態になった2011年以降の修繕費の返還を求める。

同社の原英俊執行役員は「(文書で示した期間は)あくまでも目安で実際の物件の状況を見て必要な修繕を行っている。オーナーの負担だけでは足りず、会社負担で行っている修繕もあり、
批判は当たらない」と話している。

また別の人物で家賃収入は10年間変わらない契約でアパートを建てたのに、6年後に減額されたとして、愛知県の男性(80)が22日、サブリース大手「レオパレス21」(東京都)を相手に、
減額分の支払いを求める訴訟を名古屋地裁半田支部に起こす。同様の減額事案は全国で相次いでおり、少なくとも100人以上のオーナーが一斉提訴を検討している。

サブリースは、オーナーが建てたアパートを業者が一括で借り上げ、空室に関係なくオーナーに一定の家賃を支払う仕組み。しかし、思うように入居率が上がらず、オーナーへの支払いを減らし、
トラブルになるケースが相次いでいる。国土交通省は昨年9月、契約時に「将来的に家賃が減る恐れがある」との説明を業者に義務づけた。

訴状などによると、男性は愛知県知多市に2階建てアパート(20戸)を建て、2005年1月に同社と月額77万7800円のサブリース契約を結んだ。同社は「30年間、賃料は減額しない」と説明。
契約書では「賃料は当初10年間は不変」と明記されたが、経営難を理由に11年10月に約10万円の減額を求め、男性はやむなく受け入れた。だが業績の回復後も家賃は戻らないことから、男性は家賃の増額と、
交渉を始めた16年7月からの差額約81万円の支払いを求めている。

一部オーナーで作るレオパレス・オーナー会(名古屋市)によると、同様に減額された会員100人以上も訴訟を検討。前田和彦代表は「倒産すると言われ、やむなく減額を受け入れた人がほとんど」と話す。

同社の広報担当者は「家賃を増額した例もあるが、当物件は近隣の相場と比較しても妥当な家賃と考えている。裁判所の調停による解決を目指したが、先方が取り下げた」としている。

Yahoo記事・朝日新聞DIGITAL  引用